腎臓病について

腎臓内科医は体内環境調節のエキスパートです

「人の体の6割は水分である」と言われています。科学的に言うと人の体重の6割は液体成分(体液)で構成されているということになります。この体液には血液、水分、塩分、栄養分、糖分、ホルモンなど生命維持にかかせない重要な成分が数多く含まれており、腎臓で適切な体内環境となるように調節されています。

腎臓内科医はこの腎臓の働きに関する専門家であり、腎臓の病気以外にも血液、塩分、栄養分、糖分、内分泌機能などの異常すなわち貧血や脱水、低栄養、糖尿病、高血圧などの治療にも精通しています。逆に貧血や脱水、低栄養、糖尿病、高血圧などはすべて腎臓の機能を低下させる要因とされており、これらの病気を治療することが腎臓を守ることに繋がります。

すなわち腎臓内科医はこれらの様々な病態の知識と治療経験を有する体内環境調節のエキスパートなのです。


このような方に腎臓内科外来受診をお勧めします。

学校や職場の健診で尿検査異常や高血圧、糖尿病の疑いを指摘された方、いままでに高血圧や糖尿病と言われたことがあり、腎臓が悪くなっていないか心配な方、はじめて病院にかかる方でも すでに他院で治療されている方でも紹介状なしで受診していただけます。

日本腎臓学会ではGFR(糸球体濾過量) 50mL/分/1.73㎡未満の腎機能障害の方(男性ではだいたいクレアチニン値が1.2mg/dL以上、女性では0.9mg/dL以上の方)に腎臓内科への受診を推奨しています。

腎臓病は治療開始が早ければ早いほど、進行を遅らせて機能を温存することができます。治療せずにどんどん腎機能が悪化して透析にならないように、早めの受診を心がけましょう。

透析導入が必要となった場合、当院にて透析シャント手術、透析導入を行います。病状により外来での手術(日帰り手術)、透析導入(外来計画導入)も可能です。

当院では初期の腎臓病から透析導入後に至るまで総合的にサポートさせていただきます。腎臓病、高血圧、糖尿病などに関する今後の治療、食事療法、生活習慣について何でもご相談ください。

 

当院の腎臓病診療の考え方

かつて腎臓病の治療は安静と厳しい食事療法が中心とされてきました。

しかし腎保護が可能な薬剤の登場やサルコペニア(筋肉減少)、フレイル(心身虚弱)など健康寿命を妨げる病態が注目されている今日では、むしろ適度な運動療法と適切な栄養摂取が重要であることが明らかとなっています。

当院では腎臓病食事療法で特に重要な『塩分』と『たんぱく質』の制限について、外来での1回尿検査から現在の1日塩分摂取量とたんぱく質摂取量を推算し、無理なく続けていただくための適切な食事療法を指導しております。
高齢の方、糖尿病を合併している方、外食が中心の方、様々な生活スタイルに対応した診療、栄養指導、生活指導をアドバイスさせていただきます。

また施設に入所されていたり、病院への通院が困難であるために、これまで専門的な腎臓病診療が受けられなていなかった方でも、ご自宅や施設への往診で腎臓病治療のご相談、腎性貧血の治療や浮腫の管理などをさせていただきます。